バリ島まで行ってきました。
ヴァローナ社のカカオ豆を見に。
”バリ島カカオ農園視察ツアー”
クリオロのシェフサントスが勤めていたチョコレートの製造会社「ヴァローナ社」の企画で、カカオ農園の協同組合の施設、カカオ豆の製造工程の見学、現地栽培者との交流を通じてカカオの専門知識を共有するというもの。
カカオ豆といえば、アフリカや南米というイメージがありますが、バリ島でもカカオ豆が栽培されているんですよ。
まず訪れたのは農園。
熱帯のジャングルって感じのところでした。
出迎えてくださったのがディレクターのWidiさんと協同組合の農園主のKatutさん。
カカオ豆って枝から直接生えていておもしろいですよね~。色もとってもカラフルなんです。品種で色が違うそうなんです。熟れ具合だと思ったら違うんですね。赤や黄色や緑があってどれも熟れているなんて!!
そしてカカオ豆の木って他の木の陰で育つので、ココナッツやバナナが一緒に植わっていますが、クローブやヴァニラも植わっていました。バリの人にとってバナナは生活の必需品で、バナナの葉は毎朝のお供え物に使われて、バナナは食べるものとして使われるそうです。種類も豊富だそう。
これはヴァニラの木です。残念ながら実は生っていませんでしたが・・・。
接ぎ木でいろんな品種クローンができているとのこと。色も味もみんな違うそうです。
オーガニックな栽培をされていて、ヤギや牛を飼って糞を肥料にしているんですよ。
この牛さんはなんと!カカオ豆のカカオポットと言われる皮の部分が大好きで、もりもり食べちゃうのでカカオ豆を捨てるとこもなく、すごくエコですよね。
↑この真ん中のバナナの葉っぱでできているのは蟻の巣で、虫を蟻に退治してもらうためにわざとこういった巣をつくっているそうです。
こちらはもう一つの農園主のKetutさん、さっきの農園の方と同じ名前?なのは、バリでも一番多い名前だそうで、「長男」っていう意味だそう。日本でいう「太郎」さんみたいです。
カカオの苗木
カカオ豆を割る作業をさせて頂きました。
こんな感じで中にフルーツが!
味はライチみたいなんですが、ほとんどがタネ!カカオ豆なんです。
割ったらこんな感じで黒っぽい部分がカカオ豆
そしてカカオ豆の中を取りだしたものを組合に集めて、こういった箱の中でバナナの皮で蓋をして発酵させます。
発酵したカカオ豆は納豆のよう。ねばっと発酵しています。この発酵作業が大事だそう。朝収穫してその日ここに各農家が持ってきて発酵させて糖分がアルコールに変わって二日たって40度になったら隣の箱に移してまた2日置いて、その後また次の箱に移して1日置いたら発酵工程は終わりだとか。それを天日干しします。
天日干ししているカカオ豆
乾くとこんな感じに。半分に割ったところ。
それをなんとすべて人の手でいい豆を選別して袋詰めするそうです。そしてフランスへ輸出。送った豆をヴァローナが加工してチョコレートにするんです。
高品質な豆をつくろうとほんとみなさん一生懸命でした。
ヴァローナが栽培方法や発酵の仕方を指導して今までとは全く違う品質のカカオ豆ができあがっているとのこと。
カカオの木も植えてきましたよ。クリオロって札をつけてきたので、収穫できるころにまた行かないと!
最後にこのバリのチョコレートで作ってきたスイーツを農家の人たちと一緒に試食して、チョコレートムースもつくって交流しました。
南国のフルーツも使って、私たちのチームは、カフィアライム(こぶみかんの葉)風味のチョコレートムースにしました。現地の人は食事にしかこのカフィアライムはつかったことない!と驚いていましたよ。実はチョコレートとよく合ってシェフの大好きな素材のひとつです。
若くてやる気いっぱいの素敵な若者たちばかりでした。
パッションフルーツもゼリーにいれましたが、なんと酸味がぜんぜんない珍しい味のパッションフルーツでした。バリのヴァニラもいれましたよ。
出来上がりはこれ!
今回のカカオ豆ツアーもとっても充実したものでした。
オーガナイズして頂いたヴァローナ社のみなさま、そして一緒に行ったパティシエのみなさま、ショコラティエのみなさま、ありがとうございました!!楽しかったです!!
この写真は、ランボーさんの写真です。
このバリのチョコレートですが、酸味が少なく、フルーツの風味が南国を思わせる感じで力強いのが特徴です。今年のクリスマスケーキはこちらの特別なチョコレートを使ってつくりますので、お楽しみに!!