パティシエの仕事はお菓子作りだけではありません。時には製菓学校から講師として招かれ、学校の生徒さんにお菓子の作り方や実際のパティシエの仕事内容について教えることもあります。
今日はクリオロのチョコレート製造部門でトップを務める Erikaさんが、辻調理師専門学校 東京の講師として招かれた際の様子を取材しました!
〈Erika〉
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今回の講習は、午前と午後の講習を2日間に渡り実施しました。
今回は、Erikaさんがボンボンショコラ2種(プレーン・プラリネ)と生チョコの制作を実演。授業を受けるのはチョコレートについて詳しく学ぶのが初めての生徒さんとのことで、みんな興味津々の様子です。
早速講習がスタート。まずはプラリネ作りから。なめらかなチョコレートの中にザクザクとしたプラリネを合わせるこのボンボンショコラは、お菓子を食べた時の食感を大事にするサントスシェフ定番の組み合わせ。砂糖を煮詰めてキャラメルを作り、シートの上で伸ばして冷やし固め、ナッツと一緒にミキサーにかけ完成です。
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キャラメルを作る時は焦がさないように慎重に…
「プラリネを一から作るお店はなかなかないですが、クリオロは手作りしています。」「キャラメルが冷めたらすぐにナッツと一緒にミキサーにいれ、ゴムベラで持ち上げた時にゆっくりと落ちるくらいの固さになるまで撹拌します。」プラリネを作る際の注意点を学生に分かりやすく解説します。プラリネができたらチョコレートと合わせ、冷やし固めれば、プラリネ入りのガナッシュの完成です。
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冷ましたキャラメルをミキサーに入れ、ナッツと合わせます。
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ミキサーをかけること5分。ゴムベラで持ち上げた際にゆっくり落ちる固さが理想。
続いてボンボンショコラのプレーンと生チョコのためのガナッシュ作り。ここではチョコレート作りには欠かせない、テンパリングの方法について丁寧に解説していきます。
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湯煎にかけたチョコレートを一旦ボウルから外し、ブレンダーで合わせます。
「ゴムベラで混ぜる時はなるべく空気が入らないようにするのがポイントです。」「温度計でチェックすることも大切ですが、見た目でも分かります。作業をするときは、しっかりとチョコレートの状態を見てくださいね。」生徒の皆さんは丁寧かつ素早くテンパリングを行うErikaさんの作業を真剣な眼差しで見入っています。
授業も中盤に差し掛かると、ここからは仕上げ作業に入ります。冷蔵庫で冷やし固めたボンボン用のガナッシュにチョコレートの下塗り作業(シャブロネ)を施し、再度冷やし固めます。下塗りしたチョコレートが固まったら、専用の機械で一粒大にカット。この時、テンパリングが上手くいっていると、機械やシートからきれいに外すことができるのだそう。最後に仕上げ用のチョコレートにくぐらせて表面をコーティングし、ナイフでボンボン側面を滑らかになるように整えたら完成です!いつもは部署メンバーと、分担して行う作業をこの日は全て一人で行ったErikaさん。それぞれの作業工程のポイントを丁寧に説明しながらも、短時間で3種類のチョコレートを完成させる作業スピードは流石の一言です。
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普段はチーム全員で行う作業を1人でテキパキこなします!
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お菓子は見た目も大切!ボンボンの側面を滑らかに整えます
早速、出来上がったボンボンショコラを全員で試食。出来立てのチョコレートの美味しさに、生徒さんの顔には思わず笑顔がこぼれます。生徒さんに感想を聞くと…
「3つとも同じチョコレートのはずなのに食感がそれぞれ違うのが興味深いです。中でもキャラメルのボンボンは、一粒にサクサク感となめらかさを感じられて美味しかった!」「チョコレートは甘ったるい印象があり苦手でしたが、今日試食したチョコレートはどれもほどよい甘さでとても美味しいです!」など、味や食感に感動する声が多く聞こえました。
試食も終わり、ここからは質問タイム。「普段の製造現場でも今日みたいにチョコレートを一粒ずつカットしますか?」という質問から、話題はクリオロでの製造環境に。クリオロでは機械に頼れるところは機械に頼る事で、一日にたくさんの量を製造する事ができ、パティシエが試作やメニュー開発などに時間を割く事ができています。「クリオロの現場では今日の50倍くらいの量を一気に作っていて、一日に千粒以上を仕上げているんですよ!」クリオロの製造量の多さに生徒の皆さんはビックリしていました。
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【クリオロでの作業風景】一度に仕込む量は講習の50倍!
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【クリオロの製造風景】機械を使って製造効率アップ!
「今はまだ就職のことは考えられないかもしれませんが、なるべく早く自分がどういう場所で仕事をしたいか具体的なイメージを持つことが大切です。入りたい!と思うお店ができたら、必ずそのお店で研修をしてください。どんなお菓子を作っているかだけでなく、どんな人がいて、どういう雰囲気で仕事をしているかを知り、そのお店と合うかを実際に自分で感じることが大切だからです。」実際に複数の店舗でパティシエとしての経験を持つErikaさんの言葉に、生徒の皆さんも真剣に耳を傾けてくださっていました。
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授業が終わったあとにも質問に来てくれる熱意のある生徒さんが多数いました!
授業終了後、生徒の方に感想を聞いてみました。答えてくださったのはこのお二人!
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左:Harukaさん/右:Momokaさん
Q.今日の授業はどうでしたか?
Momoka
初めてチョコレートについて詳しく学び、大変興味深く感じました。チョコレートは温度と水分管理が非常に重要で、扱いが難しいと実感しました。また、プラリネを一から作る様子を見て、ミキサーを多く使うことに驚き、作り方を深く理解できました。
Haruka
今まであまり意識していなかったチョコレートの扱い方について、これまで知らなかったポイントをたくさん学ぶことができ、とても楽しかったです。初めて聞く用語や工程も多く、新鮮でした。
Q.今後の活動に活かせることは?
Momoka
Erikaさんが「実際に店舗へ研修に行き、さまざまな経験を積んでから就職を考えるべき」とおっしゃっていたのが印象的でした。就職活動に早めに取り組むことの重要性を感じ、自分も早く行動に移そうと思いました。また、チョコレートについてもっと勉強したいという意欲も湧きました。
Haruka
チョコレートはお菓子作りに欠かせない食材なので、今回学んだテンパリングの方法を思い出しながら、今後の実習や就職後もおいしく美しいチョコレートを作りたいと思います。
今回、取材にご協力いただいた辻調理師専門学校 東京の先生方、生徒のみなさん、本当にありがとうございました!
最後にErikaさんに質問です。今回の講師の依頼を引きうけようと思った理由と、講習の感想を教えて下さい。
前職ではシェフの講習会で助手を務め、間近でその技術や知識を学ぶ機会に恵まれてきました。今度は自分が教える立場になることで、これまでとは違う視点が持てたり、新たな発見や気づきがあるのではないかと思いお引き受けしました。
今回の講習は、私が普段担当しているショコラをテーマに行いましたが、生徒さんからは、普段当たり前に行っている作業や用語について多くの質問があり、私自身も新鮮な気づきを得ることができました。また普段は機械を用いて行う作業を講習では1から手作業で行い、改めてクリオロの製造環境がいかに恵まれているかを実感しました。普段の業務とは違った経験を積む事で視野も広がり、パティシエのとしての成長にもつながったと思います。
パティシエとしての技術を伝えるのはもちろん、実際にパティスリーで働くスタッフのひとりとしてリアルな情報を伝えられたのは、学生と年齢の近いErikaさんだからこそできる講習だったのではないでしょうか。今後も、こうしたパティシエを目指す若い世代へ自分の経験を伝える活動を支援していきたいと思います。
現在クリオロでは、パティシエを積極採用しています!意識高く仕事に取り組む、明るく前向きな仲間と一緒に切磋琢磨し、パティシエとして大きく成長しませんか?皆様のご応募お待ちしております♪
全ては美味しいスイーツを求めてクリオロを選んでくださったお客様のために。
クリオロでは“時代に合った美味しいもので幸せに”という企業理念のもと、これからのクリオロを一緒に支えてくれるスタッフを募集中です。美味しいものが好き、人を喜ばすことが好き、新しいことを考えることが好きという方はぜひ!
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